何のためにHACCPに取り組むのか。それは、食中毒や食品の事故から消費者の健康を守るためです。
しかしながらそれは、取りも直さず、あなたの会社を守ることに他なりません。
ここでは、飲食店や小規模食品工場で、本格的にHACCPに沿った衛生管理を始めたい方、食品衛生に関連するお仕事を始める方に、シンプルでわかりやすい方法で、どこに出しても引けを取らないレベルのHACCPを、自分たちの力で組み立てていただけるようご紹介しています。
本題に入る前に、HACCPとはどんなものかを知りましょう。
食品による消費者の被害を防ぐ為、見えない敵と戦うのは、そんなに簡単なことではありません。
そこにいるかもしれない見えない敵を判断し、合理的で確実に敵を排除する方法を考え、実践していく。
それがHACCPの基本的な考え方です。 →「レッスン1 HACCPとは何か」へ移動
最初にHACCPを構築する、食品やメニューを決めて、メニューに関する情報をまとめましょう。
最終的には、すべての食品やメニューについてHACCPを作っていくのですが、最初に取り組む場合、出来るだけ代表的な食品やメニューで始めた方が良いと思います。
ここでは例として、「唐揚げ定食」で説明していきます。 →「レッスン2 対象となる食品を決める」へ移動
次に、その食品やメニューについて、原材料受け入れから、食品の出荷、またはメニューの提供までの、すべての工程を表した、フローダイアグラムを作成します。
ちょっとややこしい作業ですが、ここで工程を見落とすと、後で危害の見過ごしに繋がりますので、注意が必要です。
例ではパソコンの表計算ソフトを使って作成しています。 →「レッスン3 フローダイアグラムを作る」へ移動
完成したフローダイアグラムの各工程で、発生するかもしれない危害を考えます。
危害とは、基本はお客様が健康被害につながるものと定義されることが多いのですが、健康被害に繋がらなくても、不快な異物は会社やお店の信頼を失うことにつながります。ここでは、例を参考にしていただき、考えられるすべての危害を書き出していきましょう。 →レッスン4 「工程中の危害を抽出する」へ移動
抽出した危害の一つ一つに、それを防ぐ方法を考えていきます。
危害を防ぐためには、ルールを決めて全員で実施する方法と、基準を決めて管理する方法があります。
それが重要な危害の場合、基準が守られているか、チェックリストをつけて記録を残す必要があります。
クレームが発生した時に、適切に管理を実施している証明になるからです。 →「レッスン5 危害を防ぐ方法を決める」へ移動
ここでは、先のセクションの危害分析で、「記録を取り管理すべき重要な危害」と判断された危害要因について、確実に防止する管理基準を決め、それを確認する方法を決定し、記録するためのチェックリストを作成します。
重要な工程には、作業方法のマニュアルを作っておくと、新しい作業者が入ったときに、ルールを踏まえて作業を教育でき、後で作業者が確認することもできて便利です。
チェックリストには、基準が守られていない時の対応方法や、必ず上司に報告することを明記しておきましょう。
異常をそのままにしないことが大切です。 →「レッスン6 ルールやチェックリストを作る」へ移動
衛生ルールを守ることで防止する危害(一般衛生管理項目)について、安全安心に向けたルールを考えていきます。
このルールは従業員全員が理解し、これを守って行動する必要があります。そのため、守るべきルールをまとめた小冊子を作成し、教育資料として活用できるようにしましょう。
このウエブ塾で作成した資料やチェックリスト、教育資料があれば、すでにHACCPを実施していますと宣言できます。保健所や取引先の監査の際も、自信を持って対応してください。
ただ、HACCPは作るだけではなく、育てていくものです。
毎日の作業の中で、基準逸脱や顧客のクレーム、ちょっとしたヒヤリハットは発生します。
これらについては軽視することなく、対応ルールを考え、それを実施して、どんどん改善していきましょう。
誠実に安心安全を追い求めていくことが、HACCPを実施しているという状態であることを、忘れないでください。
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