先日、取引先の監査があり、委託監査員の乳業系コンサルティング会社の方が来社されました。
その時に、金属探知機のメーカー点検を受けていないことについて、「メーカーと相談して定期的な点検が必要か確認してください。」と言われました。
もちろん自社では、作業するアイテム毎に最初と最後、休憩が入る場合はその前後に、決められたテストピースを製品の上に乗せ、反応機開口部の中央付近を通過させ、正しく反応し排除することを確認して、チェックリストに記録しています。そして、その時点で反応や排除が適切でない場合は、前回正常に反応した時点以降の製品を、正しく反応する金属探知機で全数検証すること。また必要がある場合はメーカーへの点検を依頼するというルールにしています。
今回のご指摘を受け、自社の金属探知機の取引先ではなく、別の金属探知機の業者の方にメーカー点検について伺ってみました。
メーカー点検も一般的な点検項目(例えば、本体が水平に置かれガタつきや振動がない、ベルトにほつれや汚れがなく、ベルトが他のコンベアーやガイドと接触していない、検出ヘッド゙の上に工具や記録帳などを置かないなど)の確認や、製品の上にテストピースを置いて通過させ、反応し排除装置が確実に作動するかを確認するなどの感度確認。つまりは自主点検と同じなのですが、これが本当に確実に実施されているか、確認して証明するというのがメーカー点検の中身とのことです。
業者の方に、点検で電磁場の細かい検証や、不具合が発生する前の不具合予備症状などを発見したりという項目はあるのかと聞いたところ、それは無理ですとのこと。それはそうですよね、1年に1度しか実施しない点検で、次の1年の安全運転を保証できるわけはありません。
「メーカー点検は、あくまでその時点での状態を、メーカーの立場から検証し、証明書を発行するということです。そのため、実施されるかどうかは、エンドユーザーさんが求められるかどうかですね。」というのが業者の見解でした。
HACCPや衛生管理の外部認証と同様に、金属探知機の外部点検も、実施していることを証明するための外部監査としてエンドユーザーが必要というなら実施する他ないわけです。
金属探知機のメーカー点検を受けるには、1台大体1.5〜3万円、それに出張経費が相当にかかります。何台も保有している中小企業にとってはかなりの出費になります。
前に勤務していたOEM主体の菓子製造業では、1日2回品質管理でテストピースによるダブルチェックを実施していました。
今回は、内部監査として月一度、品質管理でチェック項目を決めダブルチェックを実施して検証することで、エンドユーザー様にご納得いただけるといいなと思っています。
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