今年も年末の繁忙期前に、保健所から食品衛生監査票を交付していただくため、施設の監査に来ていただきました。
私が携わらせていただくようになって3回目の保健所の監査です。前回は色々口を出して100点をいただいたのですが、今回は事前の確認を工場長にお願いしたところ、チェックリストの記入方法で2箇所ほど指摘をいただきました。
工場内の説明は去年よりスムーズでしたが、今年は過去のチェックリストの確認が執拗で、去年のようには行かなかったようです。
しかしながら、総括として保健所の方に「もちろん衛生管理システムについては、管内トップクラスです。」と言っていただき、工場長も作業責任者もあとで大喜びしていました。
「自分達の今していることは、管内トップクラスなんや。すごい自信になった。」と。
私がここに入れて頂いた時には、経営者と社員の間に明らかに溝があり、風通しが悪い状態でした。
なぜ出来ないのか、どうして分かってもらえないのか、なぜ言わないのか、どうせ言っても分かってもらえない。
工場運営の中で大切な情報の交換が滞っている状態です。この状態が続くと、社員の会社への貢献意欲が低下し、社員が居付かない状態が深刻になります。
職場で自信を持って仕事ができることは、とても大切なことです。そのためには、経営者と従業員がウィンウィンな状態を作るため、なすべきことを決め、ルールを作り、報告ルートを決めて、みんなで実行する。これだけで工場の風通しはずいぶん良くなっていきます。
そして、これらの取り組みの全てがHACCP衛生管理システムには規定されているのです。
HACCPに取り組むにあたり、コンサルを雇って形だけを導入した場合、達成感が置き去りになります。自分達で取り組むにはハードルが高いと考えるかもしれません。しかしながら自分達で取り組んでこその達成感が、工場を変える原動力になります。
おすすめするのは、食品衛生法施工規則別表17、18のいわゆるガイドラインに沿った食品衛生管理計画書の作成と、自社のルールを教育するための小冊子(私は安全衛生マニュアルというネーミングでご紹介しています)の作成です。
これらを作るためには、自分達に適した、外部にも理解が得られるルールを作り、実行することが大切です。そしてそれを文書化すること。少しハードルはあるのですが、これができると状況が一変すること間違いなしです。
このホームページで掲載しているウェブ塾や、Kindleで販売している電子書籍、BASEでご紹介しているコンテンツなどで、システムづくりに取り組むみなさまに参考にしていただける配信をおこなっています。
この改善へのアプローチを、みなさまにも体験していただければ幸いです。
コメントをお書きください