産経新聞ネット版によると、「世界保健機関(WHO)は、健康な人はなどの症状がない場合、マスク着用は「感染者の世話をする場合」だけでよいとしていることから、仏政府はマスク支給を医療関係者に限定。17日に外出禁止令が施行された後、街頭で任務を続ける警察官や郵便局員には支給してこなかった。カスタネール内相は「マスク非着用でも危険はない。同じマスクを着け続ける方が危険」と訴えた。」とあります。
確かにこの考え方も間違っていないのですが、今回のウイルスの場合、潜伏期間の症状のない時期にも感染力を示すことがわかっています。感染がある程度拡大している時期には、誰もがすでに感染しているかもしれず、自分が気づかぬうちに、他人に感染してしまうリスクを持つのです。
飛沫の飛散は、咳やくしゃみという症状のある場合だけでなく、通常に話をするだけでも起こります。マスクをすることで、未症状の感染者からのウイルス拡散を抑える効果が期待できるため、マスクの着用はこの時期必要であると考えます。
この場合、マスクの性能や再利用かどうかということより、口から出る飛沫を抑えることができることが重要です。むしろ、薄い不織布製を使うより、分厚さのある布製の方が給水性もよく、再利用にも適していて、もっと推奨されるべきではないかと私は考えています。
布製品の問題は、使用される木綿繊維の殺菌が難しいということです。しかし今回の場合は、ウイルスへの対応です。使用後は薬用石鹸などで汚れを落とし、十分すすいだ後、キッチンハイターを500mlに対し小さじ1杯程度溶かした液に浸しておいて、よく濯いで干しておけば、マスクからの感染を恐れる必要はないでしょう。
しかしながら、マスクはあくまでも感染を広げないために有効であって、マスクをしていれば感染のリスクを防げると、安易に考えることは危険です。
人が呼吸をする以上、息を吸い込んだ時マスクの中はかなりの陰圧になります。フィルターが細かければ細かいほど、空気は通りやすいところからマスクの中に入ろうとするため、マスクと顔の隙間に集中するのです。
私が今勤めている工場では、青のりの小分け包装をする部屋があります。青のりの微粉の中で働く人がマスクを取ると、目頭から鼻の両サイド、小鼻の周りから鼻の穴までの部分に緑の粉がビッチリと付着しています。
呼気で湿ったマスク表面は空気の通過を妨げるため、呼気も吸気も同じところを通ります。呼気で湿った部分に吸気に含まれる微粉が付着することで、こんな跡になるのです。
ウイルス対策でマスクをつけている場合も、マスクを外した際、この部分をまず洗い流すことが大切です。この部分にはウイルスを含む微細飛沫が濃厚に付着している恐れがあるからです。
付着している時点では水分で覆われていますが、乾燥することにより、鼻や目という感染経路にウイルスが付着しやすくなってしまいます。また、小鼻や目元を手で触れることで、さらに感染は確実になります。
もうお分かりのことと思いますが、マスクをつけたり外したりすることはあまりお勧めできません。使ったままの状態でマスクが乾燥してしまうと、表面に付着したウイルスが飛散しやすい状態になるので、それをまたつけることは危険だと言えます。再度使用する時は、先に書いた方法で洗浄消毒されることをお勧めします。
かく言う私は、今、花粉症で目も鼻も痒い状態にあります。ダメだと思っても、つい目を掻いている自分に気づきます。しかし、この行為が最も感染に近い行為です。なんとか喉に感染しないよう、うがいや水飲みを心がけています。もちろん歯磨き、舌磨きで、口の中でウイルスが増殖することを防ぐことも大切です。
テレビでウイルスを含む飛沫をペンキに例え、汚染を可視化化してみようと提唱していました。私は汚染を青海苔の粉末だと思い、すれ違う人は青海苔の袋と思うようにしています。
今後、長い戦いになるであろうこのウイルスについて、自分を守ることは周りを守ることだと自覚し、行動したいものです。
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