この項目の最初のセクションは、立地についてです。
ガイドラインでは、施設の立地に関して次のように記載されています。
食品に関係した施設の場所は、潜在的な汚染源になると考える必要があり、食品を守る適切な手段として効果的である、施設は防止措置を考えた後に、食品の安全性や安定性に対する脅威がある場所には建ててはならない。特に通常施設は次のような場所を避けなければならない。
・環境として不潔な区域及び食品汚染に一連の脅威のある産業活動区域。
・十分な防御手段のない洪水の起こるような区域。
・鼠族・昆虫の群生しやすい区域。
・固形又は液状の廃棄物が効果的に除去できない区域。
…訳文であるガイドラインは、内容がわかりにくいのが難点です。
つまり、ここで要求されることは、自社施設の立地が、不潔な区域や食品製造に脅威がある産業活動区域になく、洪水が起こるような区域でなく、鼠族や昆虫が群生することもなく、廃棄物や排水が効果的に除去できる状態にあることを証明することです。
最初の環境的な衛生度ですが、食品工場として最初は適した立地であっても、時間の経過とともに他の施設が建設されて環境が悪化したというところが少なくありません。
まずは、外部から施設を適切に遮断する方法を講じることが必要です。環境が食品汚染につながらないことを、周辺地図や施設の図面で説明できるようにしましょう。
二つ目の項目ですが、最近、天災により被害を受けた食品企業のニュースを見聞きすることが増えたような気がします。
台風や大雨による洪水、土砂崩れなどの災害は、異常気象や温暖化の影響もあり増加傾向にあります。完全に安全な立地を証明することは困難です。
まずは、地域の防災マップを確認しましょう。立地する地域が津波や土砂災害の注意区域である場合、被害を最小限に食い止めるための防災対策を、危険警戒レベルに対応した行動規範として決め、社員全員に教育しておきましょう。防災訓練をする場合は、チェック表や実施記録を作成して保管してください。
三つ目の防虫防そについてですが、これについても群生しにくい場所を証明することは困難ですし、群生しやすいかどうかは、施設管理方法に関連する部分もあります。
工場施設の外周に溝や植栽、空き地がある場合は、定期的な清掃や、植栽や雑草の刈り込み・消毒など、対策と頻度を決めて「工場外周清掃チェック表」を作成し、実施して記録を残しましょう。業者に外周の防虫防そを依頼する場合は、地域の環境基準に関しても配慮したメニューを組み、使用した薬剤などの記録を残しましょう。
最後のゴミや排水処理については、地域の環境基準により対応が異なります。排水やゴミ処理に関して基準に違反しないよう、検査結果や産業廃棄物のマニュフェストなど、基準に適合していることを証明する資料を確認して保管しましょう。
このように、一つ一つ項目を確認することにより、見落としていたことがはっきりしてきます。
自社の安全性を確保するための良い機会です。ルールを作り実施していきましょう。
以前参加したセミナーで、講師の方が食中毒事故を起こした工場の外周写真を全員に見せ、「こんな雑草を放置しているような工場だから、食中毒事故を起こす…」とおっしゃっていました。事故を起こせば、そんなところも突っ込まれ、企業の悪いイメージにつながるのです。油断はできません。
事故がないように努力することが必要ですが、万一事故が起こってしまっても、それ以上突っ込まれないような防御は必要であると思います。
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