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監査の信頼性


 高槻市の小学校の塀が地震で倒壊し、小学生が犠牲になった事件。法廷点検や安全確認のあり方に問題があったことがわかってきました。

 

 市では施設の法定定点権を3年に一度業者に委託して実施していました。

 2017年に実施された検査では、建築基準に違反しているにも関わらず問題なしと評価されており、2015年に防災アドバイザーから指摘された危険性にも、市教委が「安全」と判断を歪めています。

 最も危険なのは、組織の上部にいる人たちが危険について判断ができないということです。

 

 食品衛生の場でも、いろいろな監査がおこなわれます。

 販売する側から製造業者の確認を行ったり、保健所が食品関連施設に調査に入ったり、国際外部認証を取得し、維持するためにも、一定間隔で監査を受ける必要があります。

 

 しかし人が実施する監査では、監査結果は相手先との関係性や、以前の評価、指摘箇所の改善にかかる費用などに影響を受けがちです。

 改善に多額の費用がかかるものは、企業の体力が優先され先延ばしされます。

 幸運が重なり、何も起きなければ良いのですが、不運が重なると大きい事故に繋がります。

 今回の壁倒壊事故も、根底にはこのような事情があったものと推察されます。

 

 今後、確実に監査はAIの仕事になっていくでしょう。むしろ、人間の監査では信頼が置けません。

 人の能力では、すべて見落としなく監査することは不可能です。以前の経緯、依頼者との力関係、その時の心の有り様で移ろう監査では、後になって問題が発生する恐れがあり、悲劇は元に戻すことができないのです。

 

 監査結果は、その緊急性や重大事故との関連性において、強制力を持った改善対策を求めるものになるべきです。

 重大事故を未然に防ぐことは容易なことではありません。しかしながら、発見された危害要因に対応することで、事故の芽を一つ積むことができるのです。

 

 今のラッキーを永遠に続くものと思わないこと。後になって後悔することは、いま考えるほどたやすいことではありません。