· 

後追いされるチェックリスト


 6月18日朝8時前、震度6弱の直下型地震が大阪府北部で発生しました。この辺りは歴史的にも、地震が少ないと言われているところです。

 ちょうどその時、学校プール脇の通学路を歩いていた子供が、倒れたブロック塀に挟まれて命を落としました。

 

 テレビに映し出された、倒れたブロック塀のヘリコプターからの映像。私の目には、折れた部分に鉄骨は見当たりませんでした。

 これがプールサイドの塀として使われていたことを考えると、この事故の意味合いはもっと追求されるべきであり、全国の既存の設備への確認と対応を急ぐべきであると思います。

 

 高槻市は、この塀は建築基準法に違反してたことを認め、謝罪しています。市では3年に一度、業者による学校施設の安全点検を実施していました。しかしながら、事故後に提出された昨年1月実施分の報告書では、問題点の指摘はなかったということです。

 同報告書の「耐震対策」や「劣化や損傷」の欄には「ー」と書かれており、この意味合いに質問が集中したと新聞にありました。

 市側は「当時の業者の記憶があいまい」と回答したとありますが、報告書の内容を確認し、内容に関して承認印を押した人がいるはずです。

 業者任せの態度では責任逃れはできません。結果は委託した側にも責任があります。

 

 チェックリストは、後になって、何かあった時に確認されるものです。何もなければ保管してるだけで、場所をとって邪魔なもの。でも、事故やクレームの際には、その内容で身の潔白を証明できることもあります。

 

 そんなチェックリストに記入するときの、最も基本的な注意事項はご存知でしょうか。

  • 誰もが読めるように、丁寧に楷書で書く(決められた内容を示す記号以外の省略文字や図形は使わない)
  • 全ての項目に記入する(該当しない項目は斜め線を引き、理由を添える)
  • 書き直すときは、二重線で消して横か上に正しく書き直し、二重線上に訂正印を押す(サインでも可)

 今回の高槻市が提出した報告書のように、きちんと付けられていないチェックリストは、ルールが守られていない、ずさんな管理の証拠になってしまいます。

 

 幸運なら、何もしなくても事故など経験しないで済むかもしれません。また、どんなに対策しても、不運が重なると重大な事故に見舞われることもあります。

 どちらにしても、一旦事故が起こってしまうと、あなたを救ってくれるのは、その時の記録でしかないのです。

 どんなチェックリストを作り、危害を防ぐためどうやって確認していくか。当事者の誰一人として、気をぬくことは許されません。