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HACCPの最初には社長の衛生方針が大切

 HACCPに取り組むとき、何から手をつければ良いでしょうか。

 一般的衛生管理から始めるのか、HACCPシステムの構築からか。それとも認証に挑戦するならその要求事項から取り組むのか…初めての時は悩みますよね。

 

 ところで、あなたの会社では、社長からの品質方針の発表は済んでいますか?

 今まで、特に何の取り組みもしていなかった場合、従業員は厨房で、自分のやりやすいように、比較的自由に振る舞われていたでしょう。

 HACCPに取り組むとなると、皆んなで勉強したり、決め事を守ったり、チェックリストをつけて報告義務が発生したり…何かと強いられることが多くなります。

 従業員としては、「ただでも忙しいのに、なんでこんな事やらなきゃいけないの?今まで食中毒とかも出してないし…」と思っているかもしれません。

 

 HACCPへの取組を始める動機として、「お客様の安心安全を最優先に考えて、HACCP衛生管理を推進する…」というような内容の衛生方針を、社長から書面で発表してもらいましょう。

 HACCPでは、食品による健康被害が起こらないよう、危害を特定して基準を決め、確認方法して、その結果を記録に残します。

 万一、何かの事故が発生した際、「確認してましたよ…記録はないけど」では信用してもらえません。決められた安全対策が適切に実施されていた事を証明するため、記録の確認と保管は重要です。基準を作るのも、記録を取るのも、上司がその確認を行い、異常に正しく対応してこそ意味があります。そして最終的に、上司が正しく対応した事を評価するのは社長の仕事です。

 「品質はタテマエ、実際は儲けにならん。HACCPなんか。本当はしたくない…」もし社長がそう思っていると、その気持ちが社員に伝わってしまいます。

 

 会社の品質は、社長の思いを超えることはありません。これは絶対です。

 事故が発生したら、社長として「私は知らなかった。」とは言えません。そんな事を言って会社をなくしてしまった社長が何人もいましたね。

 安心安全な品質は会社の競争力を高め、必ず業績向上につながります。信じて真面目に頑張れば、その思いがお客様に伝わらないはずがありませんから。